日にち薬
心の傷は、時が経つにつれ癒されていくものです。
体の傷がやがて瘡蓋となり剥がれ落ちるように、
人は忘却という心の治癒力を持っています。

どんなに傷ついても時と共に忘れていくのです。
傷ついた記憶は、経験として残りますが、そのときの痛み、苦しみ、悲しみといった感情はいつか消え去ります。
誰にも平等に与えられた時間が、消してくれるのです。
だから、今、心が傷つき、痛み、泣いていたとしても、
やがて、その悲しみは必ず消えるのだということを知りましょう。
やまない雨はないのです。

ですが厄介なことに、人の気持ちはそう簡単に切り替えられるものではありません。
悲しみが深ければ深いほど、執着や恨みが強ければ強いほど、
やっと抜け出そうと決心し、一歩ずつ前へと進み始めたのに、
苦しい感情がよみがえり、またも悲哀の海へと沈んでしまう。
気分は上がったり下がったりを繰り返すのです。
これも普通です。
凍てついた心は、折れ線グラフを描きながら、三寒四温さながらに、やがて溶け出し、温かさを取り戻すものです。

気持ちが折れ線グラフを描きはじめたら、
心はもうすぐ春を迎えようとしていることを知りましょう。
さわやかな風が肌を撫でる、花咲く大草原に立つように、
やがて必ず、心に平穏が訪れます。
悪感情が再び顔を出し、心に冷たい風が吹いたなら、すぐに春の陽だまりを思い出しましょう。
嫌な感情を手放すには、頭の中に広がる嫌なイメージを、温かな良いイメージに置き換えることが大切です。

折れ線グラフが上がったときに何をイメージしていたか、チェックしておきましょう。
おそらくは幸せな未来を想像していたはずです。

春はもうそこまで来ています。
本当は、あなたもう既に癒されているのです。


