薄情
人や物事に執着せず、気楽に生きるのに最も必要な考え方は、薄情です。
ひたすらクールに物事を見る。
人を見る。
自分を見る。
決して、冷酷人間になれと言っているわけではありません。
愛や慈悲、同情や哀れみ、親切心や奉仕精神は、相手の心を思いやる心から生まれます。
それは、幸せのエネルギーであり、誰にでも備わっている霊性であり、あなたがこの世で幸せに生きるため、果ては死後、いわゆる天国という幸福の世界へ移動するために欠かせないものです。
故に、自分優先で他人のことなど知ったことかというような、利己主義を起点とした「薄情」を進めているのではありません。
ここでいう薄情とは、
この世というものに重きを置かない心持ち
のことを指します。
この世は無常であり、永遠なものはありません。
百年たてば、この世の人は皆総入れ替えです。
誰もがいずれ死んでいきます。
この世に、この世の人に、出来事に、拘り、固執したところで、苦しみが生まれるだけで、なんの得にもなりません。
人は死んでからが本番であり、そこに本当の生命活動があります。
この世、いわゆる地上の世界は、死んだ後の世界に備えて、霊性を開発するために作られた世界です。
そして、死後の世界が天国となるか地獄となるかは、この世での地位や名誉や財産など全く関係なく、
霊性によって決まるのです。
この世で抱く辛い、悲しい、悔しいという恨みや憎しみ悲しみから生まれる感情は、魂の声。
もうやめなさいという、神の声です。
魂の声を聞きましょう。
どのようなことであれ、この世の悩み事にふさぎ込み、気を滅入らせ、うなだれることは今すぐやめて、
この世に住まう自分や人や物事に対して薄情になり、苦しみを生まない寛大な思考と心を作りましょう。
命があるから生きる。
どうせ生きるなら、楽しく安らかに朗らかに笑って生きる。
楽しく生きるには、魂の声に耳を傾けることです。
魂の喜びの声(良い感情)に従い、喜びの感情がともなう考え方をすることです。
良い考え方をするには、先ず、拘りや義務や心配や虚栄心から生まれる面倒くさい考えを一掃することです。
こうでなければいけない、こうあるべきである、こうなったらどうしよう、こう見られたい、
を
こうでもいいわ、こうなってもいいわ、どう見られてもいいわ、に変えてみてください。
まあいいさと潔く、なるようになるさと大らかに、この世の出来事を受け入れて、嫌な感情など背負い込まずに、さらりと捨て去ってください。
拘りや義務や虚栄といったものを捨てされば、執着もなくなり、今までと違った新たな楽しみを見つけることもできるでしょう。
魂の導きは、真の幸せへの道筋です。
魂が最も活発になる時をご存知でしょうか。
あなたの心が、平穏や静寂や平静、受容、調和という状態の時です。
魂の導きを得るためにも、薄情は大いに役に立つことでしょう。
執着せずに、気楽に生きたいと思うなら、先ずは思考の中に「薄情」を取り入れてみてください。